肉離れ
こんなお悩みはありませんか?
スポーツ中足を踏ん張ったらふくらはぎがブチっ、もしくはバチっとなって歩けなくなった
棒などを乗り越える動作をした際に臀部を痛めた
負傷部位を押されるまたは、ジャンプ、走るなどで痛みが憎悪する
受傷部位に凹みを触知する
怪我をして1日経った後にあざが出てきた
これらの症状がある方は筋挫傷(肉離れ)の可能性が高いです。
筋の損傷は直接力が加えられる直達外力による筋打撲と、間接的に力が加えられる介達外力による肉離れの2つに定義されることが多いです。
肉離れで知っておくべきこと
肉離れは当院で施術を行うことができますが、注意点として、その日に完全に回復することはないということです。肉離れで一番大切なのは、受傷後の応急処置になります。肉離れの応急処置には、基本的にRICE処置を行います。
RICE処置のRは、restで安静を意味します。怪我をした場合は、まず安静を保ち、無理に動かして状態を悪化させないようにします。状況に応じて患部にタオルや添木を当てて固定します。
Iはicingで冷却を意味します。冷やすことにより、毛細血管が収縮し、腫れや内出血、痛みを軽減することができます。※冷やしすぎてピリピリと痛みが出た場合は、一度外して皮膚感覚を取り戻し、凍傷のリスクを下げることが重要です。
Cはcompressionで圧迫を意味します。圧迫を行うことで、腫れや内出血を最小限に抑えることができます。圧迫は過度に行わないように注意してください。
Eはelevationで挙上を意味します。患部を心臓より高い位置に保つことで、内出血による腫れを防ぐことができます。
症状の現れ方は?
肉離れの症状は、患部に鋭い痛みを感じ、それに伴い関節の可動域が制限されることがあります。肉離れの痛みは大きく3つに分けることができ、1つは「伸ばした時に痛むストレッチ痛」、2つ目は「押した時に痛む圧痛」、そして3つ目は「力を入れた時に痛む動作時痛」です。痛みの度合いは、肉離れの重症度によって異なります。筋肉が完全に断裂しているような重症な肉離れでは、安静にしていても痛みを感じることがあります。
肉離れの重症度は3段階に分けられます。I度は「筋繊維の微細損傷」で圧痛が確認されます。II度は「筋繊維の部分断裂」で圧痛と自力歩行が困難になるケースがあります。III度では「筋繊維の完全断裂」で、圧痛と自力歩行がほぼ不可能になり、陥凹が確認されることがあります。場合によっては、手術が必要となることもあります。
その他の原因は?
肉離れを施術せずに放置してしまうと、過去に肉離れを起こした部位で繰り返し肉離れが発生する反復性の肉離れになる可能性があります。いわゆる肉離れが癖になってしまう状態で、初回よりも軽い負荷で発生することがあり、日常生活や競技等に支障をきたすことがあります。初回の肉離れで適切な処置を行わなかったり、適切なリハビリを実施しなかったことで、患部の筋肉の硬直や柔軟性の低下が進行し、再発のリスクが高まります。
肉離れの初期ではRICE処置を行い、中期では低負荷で長時間をかけてトレーニングを行い、負傷した筋力を取り戻すことが大切です。後期では、負傷に伴い骨盤などの傾きによる体幹機能の獲得を目指してリハビリを進めることが重要です。
肉離れを放置するとどうなる?
肉離れをそのまま放置してしまうと、悪化する可能性があります。よくご来院される患者様の中には、肉離れを起こした後も仕事やスポーツを続けてしまう方がいらっしゃいます。そのような方は、筋肉がさらに切れてしまい、腫れや痛みが強くなり、症状の軽減が遅れてしまうことがあります。中々休めないと思いますが、施術家としては、今すぐに筋肉を休ませていただきたいと思っております。
また、放置して悪化させることで、今後再発するリスクが高くなります。再発すると、仕事やスポーツの復帰がさらに遅れることになりますので、面倒に思わず、ぜひ受診していただくことをお勧めいたします。
当院の施術方法について
まず、肉離れに限らず急性の怪我では「RICE処置」が一番大切です。
「R」・・・Rest(安静)
患部を動かさないようにして、これ以上傷つかないようにします。
「I」・・・Icing(冷却)
患部を冷やすことで、筋肉の細胞の破壊を防ぎ、感覚を麻痺させることにより、痛みを感じにくくします。
「C」・・・Compression(圧迫)
患部をテーピングや包帯で圧迫することで、腫れが大きくならないようにします。
「E」・・・Elevation(挙上)
患部を心臓より上に上げることで、患部の血流を妨げ、炎症を引きやすくします。
当院でもこの処置を行い、その後、炎症が落ち着けば筋肉が固まらないように柔らかくしていきます。
改善していく上でのポイント
週に3回程度、2~4週間経過を見ながら施術を行う必要があります。痛みや可動域制限でかばっている筋肉のケアを考えると、高い頻度で施術を行っても問題ありません。同時に施術期間中は安静に過ごすことが大切です。
痛みが軽減したからといって運動を始めてしまうと、患部に大きな負担がかかり、悪化してしまう危険性や肉離れを繰り返してしまうリスクがあります。後遺症が残るリスクを避けるためにも、運動は控える必要があります。
症状の軽減までの期間には個人差がありますが、目安としては、痛みが消え、筋肉の柔軟性が取り戻され、安定性が得られた時点で治癒と見なされます。